「今のパート、なんだか合わないな…」
「辞めたいけど、正直にそう言っていいのかな？」
そんな不安を抱えている方は多いのではないでしょうか。
パートは生活の一部であり大切な収入源ですが、職場の人間関係や仕事内容、シフトの都合などが合わないと、続けるのが辛くなってしまうこともありますよね。
とはいえ、「合わないから辞めたい」とそのまま伝えるのは、角が立ったり引き止められたりする可能性があります。
だからこそ、無難で角の立たない退職理由を準備しておくことが大切です。
この記事では、実際に使える退職理由の例文を、年代や家族構成ごとに紹介します。
さらに、辞めるときの言い方のコツや、退職前に確認しておきたい準備についてもお伝えします。
目次
パートを辞めるとき「合わない」とは伝えない方がいい理由
パートを辞めたい理由が「職場に合わない」だとしても、そのまま伝えるのはおすすめできません。
正直すぎる理由は相手にマイナスな印象を与えやすく、トラブルの原因にもなりかねないからです。
- そのまま言うと角が立ちやすい
- 職場の人間関係が悪化する可能性がある
- 引き止めやトラブルにつながることもある
ひとつずつ見ていきましょう。
① そのまま言うと角が立ちやすい
「この職場は合わないので辞めたい」と伝えると、どうしても「ここが悪い」と批判されたように受け止められてしまいます。たとえ事実であっても、相手にとっては耳が痛い言葉です。
特に少人数の職場やアットホームな雰囲気のパート先では、人間関係が近いため、退職日まで気まずい空気が続いてしまうこともあります。
最後まで気持ちよく働きたいなら、本音は自分の中に留めておくのが無難です。
実際に伝えるときは「一身上の都合で」「家庭の事情で」など、角が立たない言葉に置き換えましょう。
その方が退職手続きもスムーズに進みます。
② 職場の人間関係が悪化する可能性がある
「合わない」という言葉は抽象的ですが、職場の人は「誰かと合わなかったのかな？」と勘ぐってしまうことがあります。
その結果、辞めるまでの間に人間関係がギクシャクしてしまうリスクがあります。
同僚や上司と険悪なムードになると、退職日まで働くのが苦痛になります。
自分を守るためにも、不満やネガティブな理由はわざわざ口にしない方が安心です。
「新しい生活に合わせたい」「家庭の事情で」など、周囲に波風を立てない言い方にしておくと、余計なトラブルを避けられます。
③ 引き止めやトラブルにつながることもある
「合わない」というあいまいな表現をすると、上司から「何が合わないの？」「具体的にどの点？」と突っ込まれる可能性があります。
すると答えづらくなったり、逆に辞めづらくなることもあります。
また、「それなら配置を変えるから続けてほしい」「改善するから残ってほしい」と引き止められてしまうケースも少なくありません。
本人は辞めたいのに、話が長引いてストレスになることもあります。
退職理由は、余計な質問を呼ばない言い方にするのが大切です。
具体的には「家庭の事情で」「体調が優れず」「資格取得のため」など、一言で完結する理由がベストです。
【年代・状況別】角が立たない退職理由の例文
ここからは、実際に使える退職理由を年代や状況ごとに紹介します。
自分の立場に近いものを選んで参考にしてくださいね。
子育て中の30〜40代主婦の場合
小さなお子さんがいる場合は、学校行事や体調不良でシフト変更をお願いする場面が増えやすいものです。
そのため、子どもを理由にするのは自然で角が立ちにくい退職理由になります。
例文：
「子どもの学校行事や体調不良で急な休みが増えてしまい、これまでの勤務を続けるのが難しくなりました。家庭の状況を考え、退職をお願いしたいです。」
このように伝えれば、相手も「仕方がない」と受け止めやすいです。
ただし、子どもがいないのに「子育て」を理由にしてしまうとすぐに不自然さが出てしまいます。
事実に合った理由を選ぶことが大切です。
親の介護を抱える40〜50代の場合
親の介護は多くの人に理解されやすい理由のひとつです。
特にシフトに影響が出やすいため、受け入れてもらいやすい傾向があります。
例文：
「親の介護をする時間が必要になり、これまでのシフトを続けるのが難しくなってしまいました。家庭の状況を考え、退職をお願いしたいと思います。」
このように伝えると、無理な引き止めを受けにくくなります。
ただし、会社によっては扶養情報などで家族構成が分かっている場合もあるので、事実と異なる理由を言うのは避けましょう。
独身の20〜30代女性の場合
独身の方の場合は、家庭や介護を理由にするよりも「勤務条件が合わない」「キャリアや資格の準備」といった理由が自然です。
前向きな印象を与えるので、角も立ちません。
例文①：
「シフトの時間帯が生活リズムと合わず、体調を崩しやすくなってしまいました。今の働き方を続けるのが難しいため、退職をお願いしたいです。」
例文②：
「将来のキャリアを考え、資格取得の勉強に集中したいと思っています。そのため、今の勤務を続けるのは難しいと判断しました。」
「結婚予定」など事実と異なる理由を出すのは避けましょう。
キャリアや資格取得を理由にすれば、相手にも理解してもらいやすく、ポジティブな印象で辞められます。
健康上の理由で辞める場合（全年代共通）
健康上の理由は、年代を問わず無難で使いやすい退職理由です。
余計な突っ込みを受けにくいのもメリットです。
例文：
「体調を崩しやすくなり、これ以上勤務を続けるのが難しいため、退職をお願いしたいです。」
病名や診断内容まで詳しく話す必要はありません。
むしろ「医師から〜と言われた」と説明すると「診断書を出してください」と言われる可能性もあります。
あえて詳しく言わず、シンプルに「続けるのが難しい」と伝えるだけで十分です。
「合わない理由」がパワハラやセクハラの場合
「職場に合わない」と感じる背景に、パワハラやセクハラといった深刻な問題があるケースもあります。
この場合は「ただ合わないから辞める」といった単純な話ではありません。
まずは会社に設けられている内部通報窓口や相談窓口に連絡するのが正しい対応です。
企業には労働者を守る義務があるため、きちんと調査や改善を求めることができます。
もし社内で解決が難しい場合や、社外に相談したいと感じる場合は、労働基準監督署や労働局の総合労働相談コーナーなど外部の公的機関に相談する方法もあります。
「穏便に辞めたい」という方もいると思いますが、その場合は無理に理由を詳しく話さず「一身上の都合で」と伝えるのが無難です。本当の事情を話す義務はありません。
退職理由を伝えるときの言い方のコツ３つ
退職理由そのものよりも、実は「どう伝えるか」で相手の受け取り方は大きく変わります。
ここでは、角が立たずスムーズに退職できる言い方のコツを３つ紹介します。
- 前向きな表現に言い換える
- 個人的な不満は口にしない
- 簡潔に伝えて引き止められにくくする
① 前向きな表現に言い換える
「この仕事が合わないから辞めたい」と言うと、どうしても否定的な印象になります。
代わりに「家庭の都合で」「体調を整えたい」「資格取得に集中したい」など、前向きな表現に変えて伝えると角が立ちません。
前向きな理由は、相手も納得しやすく、悪い印象を残さずに辞められます。退職後の関係を考えても、前向きな言葉を選んでおく方が安心です。
② 個人的な不満は口にしない
「上司と合わない」「人間関係が辛い」などの不満は、本音でも口に出さない方が無難です。
誰かを否定する言葉は、伝えた瞬間に場の空気を悪くしてしまいます。
また、噂として広まることもあり、余計に居づらくなる可能性もあります。
不満は心の中で整理し、相手には「一身上の都合」としてまとめて伝えるのがベストです。
③ 簡潔に伝えて引き止められにくくする
退職理由を長く説明すると、上司から「じゃあこうすれば続けられるのでは？」と提案されることがあります。
特に「職場に迷惑をかけるから」といった表現は、シフト変更や時短などの代替案を出されやすいので注意が必要です。
「続けるのは難しいと判断しました」と結論をシンプルに伝えると、引き止めを受けにくくなります。
余計な説明を省き、短くまとめることがスムーズに辞めるコツです。
辞める前に確認しておきたい準備３つ
退職理由を伝える前に、いくつか準備をしておくとスムーズに辞められます。ここでは、辞める前に確認しておきたい大切なポイントを３つ紹介します。
- 辞めるタイミングと引き継ぎを考える
- 次の仕事探しの条件を整理する
- 家族や周囲への相談もしておく
① 辞めるタイミングと引き継ぎを考える
いきなり「来週で辞めます」と伝えると、職場とのトラブルにつながる可能性があります。
一般的には1か月前に伝えるのがマナーです。
また、自分が担当していた仕事やシフトの引き継ぎ方法を考えておくと、スムーズに辞められます。
引き継ぎリストやメモを用意しておくと安心です。
「辞めたい」という気持ちだけで動くのではなく、辞める時期や手順も考えて準備しておきましょう。
② 次の仕事探しの条件を整理する
「合わないから辞める」と思ったときこそ、次に進むための準備をしておくことが大切です。
新しい仕事を探すときには、前職で合わなかった点を踏まえて条件を整理しておきましょう。
例えば「シフトが柔軟なところ」「通勤時間が短いところ」「人間関係がシンプルなところ」など、自分が働きやすい条件をリストアップしておくと、次の職場選びで失敗しにくくなります。
漠然と探すよりも、自分の希望条件を明確にしておく方が、納得できる仕事に出会いやすいです。
③ 家族や周囲への相談もしておく
特に主婦の方や介護を担っている方の場合、退職は家計や生活に大きく影響します。辞める前に、家族やパートナーと話し合っておくと安心です。
また、退職後の生活リズムや収入についても相談しておくと、辞めてから慌てることが少なくなります。独身の方でも、信頼できる友人に相談して気持ちを整理するのは有効です。
退職は自分だけの問題ではなく、周囲にも影響があることを意識して準備しておきましょう。
まとめ：自分に合わないと感じたら無理せず辞めても大丈夫
「パートが合わない」と感じたとき、その気持ちを我慢して続ける必要はありません。
無理をして働き続けるより、自分の生活や健康を優先する方がずっと大切です。
退職をスムーズに進めるためのポイントをまとめます。
そして、もし「合わない理由」がパワハラやセクハラなど深刻な問題であれば、それは労働問題です。
内部通報や労基署などの公的機関に相談することも忘れないでください。
パートは働き方のひとつにすぎません。無理にしがみつく必要はなく、あなたの生活や気持ちに合った新しい環境を選んで大丈夫です。
安心して次の一歩を踏み出しましょう。
